四国八十八か所巡礼の旅を一度にすることを通し打ちといいますが、歩き遍路で一般的に60日くらいかかると言われています。
遠方の方や仕事を休んで来られる方など、一度にそんなに時間を費やせない人も多いので、数回に分ける区切り打ちで回る方が多いです。そんな区切り打ちの中でも一国参りについて紹介します。
私の家は神戸からで比較的近いとは言え仕事もあり、ソロで遍路道の林道を歩くのは少し不安で車遍路にしましたが、途中趣味の登山を入れたりした事もあって時間的に区切り打ちにしました。
今回、ご紹介しながら時間が許すなら一国参りもしてみたいなぁと思っています。
四国四県を4回に分けて八十八か所巡拝ツアーなどもでていますが、
徳島=阿波一国参り 2泊3日
高知=土佐一国参り 3泊4日
愛媛=伊予一国参り 2泊3日
香川=讃岐一国参り 2泊3日かけてお参りします。日数に関してはあくまで目安で、ゆっくりされたい方はさらに観光もかねてお好きなだけ(^^♪
四国は名所が多く、純粋に修行で行かれる方は上記くらいの目安で行かれてますが、観光も行ってみたい!という方は、本当にいくら日があってもたりません(笑)中日を作って観光に充てたり、食いだおれたり。
今のお遍路は好きなように取り組めます、話がそれましたが・・・
徳島=阿波一国参り 2泊3日
~発心の道場~
1番さんと呼ばれ親しまれている一番札所の「霊山寺」から始まる順打ち遍路の出発地点。徳島県は発心の道場と呼ばれていて、物事を思い立ち始めようとすることを意味しています。
1番から9番札所までは平坦でのどかな景色が続くので比較的歩きやすいです。初めての歩き遍路にもおすすめです。12番では最初の遍路転がしと言って山の中で、なかなかの苦行の道のりに悩まされますが、13番から17番札所までは、徳島市内に集中しています。18番から23番までは海沿いを時計回りに巡ります。まず徳島市内の霊場を制覇しながら、お遍路を楽しみ巡礼に慣れ親しみ、これから始まる長い旅に思いを馳せるのもいいですね。
私は趣味の一つに登山があって、歩くのは好きですが、一度目は捻挫をしてそのリハビリを兼ねて車遍路で行きました。
親戚のご夫婦が長年かけて結願した御朱印を掛け軸にしてるのを見て漠然といいなぁって子供のころから興味があり、そんなお遍路を一度は歩いてみたいと思っていました。ただ興味はあったけど無宗教で般若心経も知らないし、弘法大師空海ですらここまで偉大な人だと知らないくらい無知な人間でした(^_^;)
人の興味って本当に原動力になりますね!今では考えられない。とにかく行くとなったらいろいろ調べて、実際に足を1番札所に運び遍路装備に身を包み「あ~始めるんだなぁ」と実感したものです。心の中でこんな程度で始めるなんて不謹慎かなとか、お遍路に興味のない身近な人には、何か思いつめたものがあるのかなとか思われてるようでしたが、四国に足を踏み入れたらそんな気持ちが吹っ飛んでました。知れる喜びと車遍路ではあるけれど歩いてお参りできる喜びと、道すがら出会う方達がいろんな思いでお参りされていて、否定も肯定も追及するでもなくただお互いを受け入れて、自分で1寺1寺お経をあげてお参りした者でないとわからない気持ちを得ることが出来ました。
高知=土佐一国参り 3泊4日
~修行の道場~
高知県は、室戸岬の先端にたつ24番札所の「最御崎寺(ほつみさきじ)」からスタート。
修行の道場といわれるだけあって、札所間の距離が長いのが特徴です。精神的にも肉体的にも厳しい地と言われてまさに修行です。今は車遍路の人も多いので行きやすくはなっていますが、他府県からでは遠いなぁという印象です。ただ、室戸岬から足摺岬までの海岸線を走るので、海沿いの景色を楽しみながら巡れるドライブ遍路にピッタリのコースです。
修行の道場に入ってすぐに室戸岬があり、そこから車で10分くらいの場所には弘法大師が悟りを開き「空海」と改名されたと伝わる洞窟、御厨人窟(みくろど)があります。高知県を順打ちで回るなら初めに訪れておきたい弘法大師ゆかりの伝説スポットです。そんな場所からスタートします。
高知!とにかく遠い(笑)パートナーと行ったときは運転を交代することができたけど、ソロで行くと運転も工程の確認も、温泉やその日の泊まる場所の確認などすべてが自分にかかっているので、運転で長距離移動は大変でした。1日にお参りできるお寺の数も減ります。ただ、大都会と違って景色感がとてもいいので、海を眺めながら「こんな幸せな巡礼でいいの~?」と景色を堪能し、私はあえて時間に余裕を持たせて高知観光しながら巡礼しました。仁淀ブルーや四万十川、愛媛との県境にある四国カルストなどなど見どころたくさんでした。時間が足りない。
また高知の本場で味わう藁焼きカツオのたたきや鰻♪塩けんぴなどご当地グルメも高知ならではの楽しみがありました。
肝心のお遍路では室戸岬にある御厨人窟では、はじめて神話なのか事実なのか実感の湧かないほど遠いところにおられるお大師様が身近に感じられた場所でした。というのも、暗がりが怖いくらいの洞窟の中に入りお参りしてUターンし出口に向いたとき、眩しい太陽の光が光芒で差し込んで来ていて、弘法大師様がここで修業をされて目を開けたとき、空と海しか見えず口に光芒が差しこんで空海と名乗ることとしたと言われていたのを体感というか実感したような気がしたのです。当時はもっと海に近かったですし、時間帯によってはもっと強い光芒も差し込みます。同行2人巡礼を一気に身近に肌で感じられてとても興奮したのを覚えています。
また、第31番札所「竹林寺」には国名勝の竹林寺庭園があり、鎌倉から南北朝時代に学僧が作ったとされていて入園は納経所で購入できます。四季折々の美しさを堪能でき県内で唯一五重塔があるお寺です。竹林寺は学問の仏さま、文殊菩薩をご本尊として724年に開かれ、文殊堂と呼ばれている本堂は国の重要文化財に指定されているし、宝物館に所蔵されている仏様17体も国指定の重要文化財という古刹なんです。竹林寺は五台山の山頂付近に立っていて横には、NHKの朝ドラ「らんんまん」でも知られた牧野植物園があります。前回すでに夕方で立ち寄りたかったけど植物園も大きいので次回はここでゆっくり時間を取りたいと思っています。
愛媛=伊予一国参り 2泊3日
~菩提の道場~
貪り、怒り、愚かさなどの煩悩が除かれた心境とされる菩提の境地。
高知の厳しい道のりを巡礼し終えたあと、煩悩を断ち悟りを得るといわれる菩提の道場の愛媛県は、40番札所の「観自在寺(かんじざいじ)」から始まります。1番から順に通し打ちしてくると、ちょうど折り返しの地となる愛媛県。愛媛県は霊場とは別に観光名所もたくさんあります。国の重要文化財松山市内の道後温泉本館や国宝五城にあげられる松山城などの名所巡りも楽しめます。
愛媛に入ると、なぜか少しホッとしたのを覚えています。なぜだろう、やっぱり
半分くらいまで来たんだなぁと実感したからでしょうか。期限を切っていたわけではないけれど、漠然と雪が降る前までにと冬までに終えたかったですし、
区切り打ちとはいえ、巡礼に入った日は開門から閉門まで一寺一寺心を込めて移動も巡礼の事に集中していたので、気力体力はそれなりに使っているのかなと。歩き遍路じゃないのだけど(^_^;)そういえば、道後温泉に立ち寄ったのですが松山市内はレンタルサイクルのスポットが充実しているようでした。あと個人的におススメなのは松山駅の近くに「でゅえっと 市駅前店」という昔ながらのイタリアンレストランがあってそこのデュエット風ミートソースはお取り寄せしちゃうくらい美味しくておススメです(^_-)-☆
香川=讃岐一国参り 2泊3日
~涅槃の道場~
「涅槃」とはさとりの境地、苦しみが消滅した状態を意味します。 お釈迦さまがこの世での命を終えたこと(入滅)により、身体的な苦からも脱して完全な「涅槃」に至ったとすることから、苦を吹き消し、悟りの境地に達する地ということを意味します。順打ちで回ると最後の地となる香川県。弘法大師生誕の地として知られる75番札所の「善通寺」があり、お大師様のお父様が邸宅の地を寄進してこの場が開かれたとされています。88番札所の「大窪寺(おおくぼじ)」は結願の寺。四国遍路を共にした金剛杖が多数奉納されており、感慨深いものを感じます。
八十八カ所の中で最も標高が高い場所に位置する66番札所「雲辺寺(うんぺんじ)」は遍路転がしのと言われる難所でしたが今ではロープウェイで7分ほどで参拝できます。そして住所が乗り場は香川、ロープェイおりたらお寺は徳島です。うどん県の香川、観光要素もいっぱいです。
神戸からは日帰り圏内で、よくうどんを食べに来たり桜を愛でに来たりと四季折々身近に感じて足を運んでいた香川県に入り、観光名所の誘惑はあったけど、この頃にはあと少しという気持ちがお遍路に集中していました。
お大師様が生まれたとされている善通寺市を中心に善通寺7か所参りというのがあり、一回で71番札所「弥谷寺」~77番札所「道隆寺」までをお参りすると、この四国霊場88ヶ所すべてをお参りしたことと同じ功徳があるとされています。また、各お寺に七福神の「撫で仏」が1体ずつ祀ってあり、すべてのお寺を回ると7つの福運を授かるともいわれています。巡礼の記念にしたいのが「七ヶ所参り色紙」。各寺院で参拝し納経を受ける際に授かる御影を色紙に貼ると完成します。
開創1200年を記念して作られたもので、御本尊の御影と七福神の御影の2種類あります。弘法大師の彩色御影は善通寺御影堂のみで授与されるのでお忘れなく。
前回はこのコース知らなかったので、約16キロを8時間程で回れるルートなので、歩き遍路のお試しコースとしてチャレンジしてみたいと思っています!